2005年10月15日
先週の日曜日、草門会の例会に行ってきました。先月欠席したので、なんだかとても久しぶりに感じました。以下、当日巻いた歌仙『陳者のあと』の巻をダイジェスト風に紹介します。
発句~脇
サッカーの試合終了十三夜 川野 蓼艸
古酒を満たせる前衛の盃 葛城 軽天
捌きの蓼艸さんが出した発句は、先日のサッカー、ウクライナ戦を思いながら詠んだ句。
「ウクライナになんか勝てっこないよ。ヨーロッパのチームはみんな横綱なんだから。そこへいくと日本なんかまだ前頭ですよ」
と、相撲に例える蓼艸さん。サッカーファンの僕としては、ウクライナでも勝ってほしかったのですが……。
「終了」で歌仙が始まるというのが面白いですね。
脇は、僕です。「気がつけばまだ<酒>が出てない」ということが草門会ではよくあるので、早々と出しました。お酒を飲みながら、テレビでサッカー観戦ですね。
ウラ1句目~3句目
犬小屋の中びっしりと初蛍 大橋 俊彦
君との時はたまゆらに過ぎ 小池 舞
爪先の色逢ふ日まで決めかねて 越川 和子
ウラの折立は、俊彦さん。なにやらインパクトのある句ですが……チョット気持ち悪いような気もします……。
犬小屋の中迷い込む初蛍
……とした方が美しいかもしれません。今度、蓼艸さんに言ってみます。
舞さんが付けた甘い恋句に、和子さんも女性らしい付けをしました。ペディキュア1つで悩む女の子の無垢な恋心がかわいいですね。和子さん、「肉体の毒薬」のような句も出せば、こんなにかわいらしい句も出るなんて、さすがは魔性の女です。
ウラ7句目~9句目
廃園に住まう狐を月照らす 坂根 慶子
審判告げよ雪の鐘の音 葛城 軽天
陳者(のぶれば)のあと白紙にて暮れかかる 山地 春眠子
慶子さんの月の句に、狐が出てきました。かわいいですね。
そこに付けた拙句は、当初、
審判の日を告げる鐘の音
……というものだったのですが、蓼艸さんが直して採用してくれました。蓼艸さん曰く、
「『雪月花』という言葉があるように、<花>の句や<月>の句だけでなく、<雪>の句も一巻のどこかに入れたい」
ということでした。
春眠子さん句、「陳者」というのは今では全然使わなくなった手紙の表現ですが、あえてそれを使うところが新鮮で良いですね。審判の日に老人が手紙を書こうとしているけれど、何十年分もの思いがあふれ出して、なかなか書かれず日が暮れてゆく……。凄味のある句だと思います。
ウラ11句目~12句目
散る花の色は秘密を含みゐて 葛城 軽天
熊穴を出づ足の裏から 大家 雅子
なにやら思わせぶりな拙句に、雅子さんがとってもユーモラスでキュートな句を付けてくれました。
ナオ5句目~6句目
胸の谷間にかはほりが飛ぶ 穴澤 とこ
あの人をいつか刺したい夕立来る 山地 春眠子
「かはほり」というのは、「こうもり」のことですね。象徴的かつセクシーな恋句です。
それに付けたのは、「文学にお説教はいらない」がモットーの春眠子さん。相変わらずの過激ぶりを発揮してくれています。
ナオ11句目~12句目
月明に薬師三尊影を曳き 穴澤 とこ
山錦木に募る望郷 登坂 かりん
とこさんのとっても情趣あふれる場の句に、当意即妙のかりんさんの句です。
ナウ3句目~挙句
マフラー巻きモンマルトルの坂登る 高岡 粗濫
類美豚党散老乱党 〃
ほつれてはまた結う炎花篝 川野 蓼艸
春の匂ひを連れてくる吾子 登坂 かりん
名残の裏に入ったところで、遅れてきた粗濫さん登場。娘さんが出演する演奏会に行っていたとのことでした。娘さんはオーボエを吹かれるそうです。
「今日は二次会要員として来ました」
と言う粗濫さんに、
「まあ、折角だから付けて行きなさいよ」
と蓼艸さん。
すると立て続けに5句も出される粗濫さん。いつもながらの早業です。
「類美豚」は「ルイ・ヴィトン」、「散老乱」は「サンローラン」のことだそうです。ブランド物を揶揄していて、とても面白いですね。
蓼艸さんの素敵な花の句に、これまたほのぼのとしていて素敵なかりんさんの句が付いて、綺麗な幕引きです。
今回も、とても良い歌仙が巻けました。
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