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2005年10月19日 (水)

2005年10月15日

 先週の日曜日、草門会の例会に行ってきました。先月欠席したので、なんだかとても久しぶりに感じました。以下、当日巻いた歌仙『陳者のあと』の巻をダイジェスト風に紹介します。

発句~脇

  サッカーの試合終了十三夜            川野 蓼艸

   古酒を満たせる前衛の盃             葛城 軽天

 捌きの蓼艸さんが出した発句は、先日のサッカー、ウクライナ戦を思いながら詠んだ句。

「ウクライナになんか勝てっこないよ。ヨーロッパのチームはみんな横綱なんだから。そこへいくと日本なんかまだ前頭ですよ」

と、相撲に例える蓼艸さん。サッカーファンの僕としては、ウクライナでも勝ってほしかったのですが……。

 「終了」で歌仙が始まるというのが面白いですね。

 脇は、僕です。「気がつけばまだ<酒>が出てない」ということが草門会ではよくあるので、早々と出しました。お酒を飲みながら、テレビでサッカー観戦ですね。

ウラ1句目~3句目

  犬小屋の中びっしりと初蛍            大橋 俊彦

   君との時はたまゆらに過ぎ            小池 舞

  爪先の色逢ふ日まで決めかねて        越川 和子

 ウラの折立は、俊彦さん。なにやらインパクトのある句ですが……チョット気持ち悪いような気もします……。

  犬小屋の中迷い込む初蛍

 ……とした方が美しいかもしれません。今度、蓼艸さんに言ってみます。

 舞さんが付けた甘い恋句に、和子さんも女性らしい付けをしました。ペディキュア1つで悩む女の子の無垢な恋心がかわいいですね。和子さん、「肉体の毒薬」のような句も出せば、こんなにかわいらしい句も出るなんて、さすがは魔性の女です。

ウラ7句目~9句目

  廃園に住まう狐を月照らす             坂根 慶子

   審判告げよ雪の鐘の音              葛城 軽天

  陳者(のぶれば)のあと白紙にて暮れかかる    山地 春眠子

 慶子さんの月の句に、狐が出てきました。かわいいですね。

 そこに付けた拙句は、当初、

  審判の日を告げる鐘の音

 ……というものだったのですが、蓼艸さんが直して採用してくれました。蓼艸さん曰く、

「『雪月花』という言葉があるように、<花>の句や<月>の句だけでなく、<雪>の句も一巻のどこかに入れたい」

 ということでした。

 春眠子さん句、「陳者」というのは今では全然使わなくなった手紙の表現ですが、あえてそれを使うところが新鮮で良いですね。審判の日に老人が手紙を書こうとしているけれど、何十年分もの思いがあふれ出して、なかなか書かれず日が暮れてゆく……。凄味のある句だと思います。

ウラ11句目~12句目

  散る花の色は秘密を含みゐて           葛城 軽天

   熊穴を出づ足の裏から               大家 雅子

 なにやら思わせぶりな拙句に、雅子さんがとってもユーモラスでキュートな句を付けてくれました。

ナオ5句目~6句目

   胸の谷間にかはほりが飛ぶ           穴澤 とこ

  あの人をいつか刺したい夕立来る         山地 春眠子

 「かはほり」というのは、「こうもり」のことですね。象徴的かつセクシーな恋句です。

 それに付けたのは、「文学にお説教はいらない」がモットーの春眠子さん。相変わらずの過激ぶりを発揮してくれています。

ナオ11句目~12句目

  月明に薬師三尊影を曳き              穴澤 とこ

   山錦木に募る望郷                 登坂 かりん

 とこさんのとっても情趣あふれる場の句に、当意即妙のかりんさんの句です。

ナウ3句目~挙句

  マフラー巻きモンマルトルの坂登る        高岡 粗濫

   類美豚党散老乱党                  〃

  ほつれてはまた結う炎花篝             川野 蓼艸

   春の匂ひを連れてくる吾子            登坂 かりん

 名残の裏に入ったところで、遅れてきた粗濫さん登場。娘さんが出演する演奏会に行っていたとのことでした。娘さんはオーボエを吹かれるそうです。

「今日は二次会要員として来ました」

 と言う粗濫さんに、

「まあ、折角だから付けて行きなさいよ」

 と蓼艸さん。

 すると立て続けに5句も出される粗濫さん。いつもながらの早業です。

 「類美豚」は「ルイ・ヴィトン」、「散老乱」は「サンローラン」のことだそうです。ブランド物を揶揄していて、とても面白いですね。

 蓼艸さんの素敵な花の句に、これまたほのぼのとしていて素敵なかりんさんの句が付いて、綺麗な幕引きです。

 今回も、とても良い歌仙が巻けました。

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2005年10月10日 (月)

A LETTER TO TRUE

『トゥルーへの手紙』

 この映画は、写真家であるブルース・ウェバーが監督を務め、自身の愛犬「トゥルー」へ手紙を書くというかたちで、9.11の同時多発テロ以降の混迷する世の中に生きることへの不安、愛することの大切さを訴える記録映画です。

 とても美しい映画でした。ここで言う「美しい」というのは、映像のことではありません。確かに、この映画は写真家が監督をしただけあって、映像にも隙がない美しさがあります。しかし、それ以上に「愛」が美しい。

 一本の筋が通ったストーリーがある映画ではないのですが、ブルースは手紙の中でトゥルーに対して様々なエピソードを語っていきます。ガンにかかった恋人と共に暮らした俳優ダーク・ボガードの話、ガンとエイズの診断を受けたウェーバーの友人をエリザベス・テイラーが訪れた話、そして、同時テロの際に救助活動をした犬や、ブルースの愛犬で、仲の良かった犬の死を悼んだ犬などの、犬にまつわる様々な話……いろいろなエピソードが美しい音楽と共に語られていき、その合間に歌や詩、名犬ラッシーの名場面、キング牧師の演説などが挿入され、見ている者の心を揺さぶり続けるのです。

 この映画の中で、ブルースは彼よりも前の世代の写真家であり、ベトナム戦争を9年間追い続けたラリー・バローズの言葉も引用しています。その一部で彼はこう語っています。

私は、あからさまに残酷ではない写真で人々の苦痛を見せたいのです。そしてできることなら、戦争がもたらす悲劇を人々に伝えたいのです。

 ブルースは、ラリー・バローズのこの姿勢をこの映画で受け継いでいるといえます。というのは、この映画はまさに反戦の映画なのですが、しかし戦場を直接描くことをほとんどせず、その周囲にある美しいもの、悲しみ、愛を描くことによって、人々に愛することの大切さ、平和の尊さを訴えているからです。

 最後に映画の中で引用されたものの中から、ジョン・レノンの言葉を記しておきます。

War is over...if you want it.(戦争は終わる……あなたが望むなら)

『トゥルーへの手紙』2004年・アメリカ)

監督・脚本:ブルース・ウェバー 制作総指揮:ナン・ブッシュ

※同時に写真展も開催されています。

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2005年10月 8日 (土)

Connaissez-vous le YATAGARASU?

Ce soir, le match de football de l’équipe de Japon commence bientôt. Japon fait un match avec Lettonie. Évidemment, je crois que Japon gagne.

À propos, connaissez-vous le symbole de l’équipe de Japon? YATAGARASU est cela. C’est le corbeau qui a trois jambes dans la légende japonaise. Au Japon ancien, il a guidé l’Empereur Jïnmu en allant conquérir l’est.

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2005年10月 7日 (金)

連句入門 第10回

4句目

 4句目は短句77)です。大抵は「雑」の句になりますが、季節のあるなしに関しては、その場の捌きに確認していただければ結構です。

 4句目のポイントは、第三の「虚構」を受けて、さらりと軽めの句で応じることです。

 好例を紹介しましょう。以下は歌仙『速度・深度』の巻(『草門帖』第3巻より)の発句~4句目です。

  煤逃げと誘はれ神田錦町          山地春眠子

   マネキン積みて発てば冬靄        川野 蓼艸

  双眼鏡毛づくろいゐる猫のゐて       高岡 粗濫

   擦り切れてくるG線の弦           上野 遊馬

 双眼鏡でいろいろ見ているうちに、ヴァイオリンの練習をしている人をとらえるわけです。しかも、ヴァイオリンをクローズ・アップしてみると、あの名曲をしきりに練習しているのか、G線の弦だけが擦り切れてきている……。

 とてもさらりとしたユーモラスな句ですね。

 拙作の歌仙『猿の横顔』の巻では4句目を以下のように付けました。

  鈴虫や故郷の風に撫でらるる          三秋・場

   天に磨きぬ真円の月              三秋・場

  柚子風呂は入浴剤と噂して           晩秋・自

   戯れに描く猿の横顔               雑・自

 入浴剤が入っているという噂の風呂を描きながら、ふざけてそれに浸かっている猿の横顔まで描いているということです。

 わかりやすいように季節と自他場を表示しました。発句、脇が「」の句でしたので、第三では人情を入れて「」の句にして、4句目も「」の句を付けたわけです。

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