2005年11月19日
月1の草門会に行ってきました。今回上野にいらっしゃったのは、山地春眠子さん、穴澤とこさん、登坂かりんさん、日高玲さん、小池舞さん、坂根慶子さん、僕、そして後ほどもう1人……でした。
今回のお捌きは、日高玲さん。時雨忌で捌きをやるので、今回はその予行演習、ということでした。
発句~第三
一茶忌に上野の猿の目顔かな 日高 玲
香具師の講釈息の白々 坂根 慶子
ジグソーのピースはぴちと嵌められて 小池 舞
お捌き日高玲さんの発句。「目顔」というのは、「人をじっと見る顔つき」のことだそうです。なんだか猿と一対一になっているようで、面白い発句ですね。
脇は、坂根慶子さんです。発句にぴったりを付けて、なおかつ「香具師」というレトロなものを持ってきました。
第三は、小池舞さんです。「香具師の講釈」のイメージがジグソーパズルになりました。
ウラ1句目~6句目
ここからは特に良い流れなので、一気に6句紹介します。
鳥渡る山襞深みゆく頃に 穴澤 とこ
親爺の集うダンス教室 葛城 軽天
七色のヴェールが床に投げられて 坂根 慶子
乳房含めば漆黒の闇 小池 舞
太古より行方不明の意識あり 葛城 軽天
レジスタンスとテロのあはいに 川野 蓼艸
穴澤とこさんの情趣あふれる情景句。とこさんは場面の切り替えのために、時々こういった趣のある情景句を出してくれるのです。
でも、次の句で、僕が茶化してしまいました。こんな風にわざと「はずす」のが僕は好きなのです。
「ダンス」なので恋句に進んでもよいところですが、「親爺とは恋したくない」と言わんばかりに、慶子さんはヴェールを床に投げつけてしまいました。
次の句はもう親爺とは関係がないので、舞さんが恋に進みます。乳房を含んでいるのは、もちろん赤ちゃんではありません。
ここで、本日来られないはずだった川野蓼艸さんが登場。先日入院なされたそうで、みんな心配をしていたのですが、病み上がりという感じはありましたが、まずまず元気そうで、一同安心しました。
蓼艸さん、舞さんの「乳房」の句に大喜びでした。
その句に、僕がいつものように謎めいた句を付けました。遙かな昔になくしたけれど、DNAの中に隠れている「意識」が、本能的な愛の行動によって目覚める……というイメージです。
蓼艸さんはそれを「何か見失っているものがある」という風に解釈されたのでしょうか。テロとレジスタンスは紙一重、という句になりました。「あはい(あわい)」というのは、「間」という意味の古語です。
ナオ1句目~4句目
E=mc2(イー・イコール・エムシー・じじょう)春の雲 葛城 軽天
乾いた骨が水を呼ぶとき 小池 舞
喚声にボクサーゆらと立ちあがる 川野 蓼艸
またも外郎(ういろう)ねちゃりんことす 穴澤 とこ
僕がまたも変な句を出しました。「E=mc2」というのは、アインシュタインの相対性理論の公式です。「春の雲」は付け合わせの妙、という以外に深い意味はありません。
そこへ舞さんの句。野ざらしの骨が雨に打たれます。
すると、ボクサーが復活し、ねばっこい「外郎」のイメージへとつながっていくのでした。
とこさんの「ねちゃりんこ」という擬音はとてもユーモラスで可愛いですね。
ナオ11句目
完璧の月光として我を刺す 山地 春眠子
「完璧の月光」という表現が面白いですね。「我を刺す」というのも、春眠子さんらしくて、綺麗なのに恐ろしい感じがして、何ともいえない味があります。
ナウ5句目~挙句
歪(いびつ)なるものもまたよし花の影 日高 玲
階(きざはし)すっと離れゆく蝶 登坂 かりん
お捌き玲さんの花の句は、ポエジーたっぷりで、格調のある句です。
そして、かりんさんがすっと軽やかに付けて、一巻めでたく終了です。
タイトルは「歌仙『猿の目顔』の巻」となりました。
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