« 2005年10月15日 | トップページ | 空飛ぶワニのサラバンド »

2005年11月20日 (日)

2005年11月19日

 月1の草門会に行ってきました。今回上野にいらっしゃったのは、山地春眠子さん、穴澤とこさん、登坂かりんさん、日高玲さん、小池舞さん、坂根慶子さん、僕、そして後ほどもう1人……でした。

  今回のお捌きは、日高玲さん。時雨忌で捌きをやるので、今回はその予行演習、ということでした。

 発句~第三

  一茶忌に上野の猿の目顔かな          日高 玲

   香具師の講釈息の白々               坂根 慶子

  ジグソーのピースはぴちと嵌められて       小池 舞

 お捌き日高玲さんの発句。「目顔」というのは、「人をじっと見る顔つき」のことだそうです。なんだか猿と一対一になっているようで、面白い発句ですね。

 脇は、坂根慶子さんです。発句にぴったりを付けて、なおかつ「香具師」というレトロなものを持ってきました。

 第三は、小池舞さんです。「香具師の講釈」のイメージがジグソーパズルになりました。

 ウラ1句目~6句目

 ここからは特に良い流れなので、一気に6句紹介します。

  鳥渡る山襞深みゆく頃に             穴澤 とこ

   親爺の集うダンス教室             葛城 軽天

  七色のヴェールが床に投げられて       坂根 慶子

   乳房含めば漆黒の闇              小池 舞

  太古より行方不明の意識あり          葛城 軽天

   レジスタンスとテロのあはいに         川野 蓼艸

 穴澤とこさんの情趣あふれる情景句。とこさんは場面の切り替えのために、時々こういった趣のある情景句を出してくれるのです。

 でも、次の句で、僕が茶化してしまいました。こんな風にわざと「はずす」のが僕は好きなのです。

 「ダンス」なので恋句に進んでもよいところですが、「親爺とは恋したくない」と言わんばかりに、慶子さんはヴェールを床に投げつけてしまいました。

 次の句はもう親爺とは関係がないので、舞さんが恋に進みます。乳房を含んでいるのは、もちろん赤ちゃんではありません。

 ここで、本日来られないはずだった川野蓼艸さんが登場。先日入院なされたそうで、みんな心配をしていたのですが、病み上がりという感じはありましたが、まずまず元気そうで、一同安心しました。

 蓼艸さん、舞さんの「乳房」の句に大喜びでした。

 その句に、僕がいつものように謎めいた句を付けました。遙かな昔になくしたけれど、DNAの中に隠れている「意識」が、本能的な愛の行動によって目覚める……というイメージです。

 蓼艸さんはそれを「何か見失っているものがある」という風に解釈されたのでしょうか。テロとレジスタンスは紙一重、という句になりました。「あはい(あわい)」というのは、「間」という意味の古語です。

 ナオ1句目~4句目

  E=mc2(イー・イコール・エムシー・じじょう)春の雲    葛城 軽天

   乾いた骨が水を呼ぶとき                    小池 舞

  喚声にボクサーゆらと立ちあがる               川野 蓼艸

   またも外郎(ういろう)ねちゃりんことす            穴澤 とこ

 僕がまたも変な句を出しました。「E=mc2」というのは、アインシュタインの相対性理論の公式です。「春の雲」は付け合わせの妙、という以外に深い意味はありません。

 そこへ舞さんの句。野ざらしの骨が雨に打たれます。

 すると、ボクサーが復活し、ねばっこい「外郎」のイメージへとつながっていくのでした。

 とこさんの「ねちゃりんこ」という擬音はとてもユーモラスで可愛いですね。

 ナオ11句目

  完璧の月光として我を刺す                         山地 春眠子

 「完璧の月光」という表現が面白いですね。「我を刺す」というのも、春眠子さんらしくて、綺麗なのに恐ろしい感じがして、何ともいえない味があります。

 ナウ5句目~挙句

  歪(いびつ)なるものもまたよし花の影              日高 玲

   階(きざはし)すっと離れゆく蝶                    登坂 かりん

 お捌き玲さんの花の句は、ポエジーたっぷりで、格調のある句です。

 そして、かりんさんがすっと軽やかに付けて、一巻めでたく終了です。

 タイトルは「歌仙『猿の目顔』の巻」となりました。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100535/7215780

この記事へのトラックバック一覧です: 2005年11月19日:

コメント

コメントを書く