カナダ大使館
先日、カナダ大使館で開催されたフランス語俳句翻訳コンクールの授賞式がありました。僕は「入選」であり、「入賞」ではないので、僕自身が受賞されるわけではなかったのですが、せっかく招待されたのだし、大使館などというところに行く機会もなかなかないので、行ってみました。
カナダ大使館地下2階の小さなホールには、50人程度の人たちが集まっていました。草門会の仲間であり、僕の大学時代のフランス語の先生でもある村松先生と合流。授賞式はまだ始まらないようなので、一緒にホールの中を見て回りました。壁際に沿って並べられた50㎝四方のガラスケースの中には、それぞれセイウチやシロクマなどの可愛い彫刻が展示されていました。カナダの国土の多くは北極圏にあるので、そういった動物がいるんですね。その他にも、セイウチのキバで作られた(?)イヌイットの遊び道具というものが展示されていましたが、どんな風に使って遊ぶのかは良くわかりませんでした。
壁の一面には今回の入賞作品とおぼしき翻訳作品が筆で大書されたものが3つ並べて飾られてました。
その中の1つが以下の作品です。
パイプどこタバコどこどこパイプどこ
trouvant la pipe
cherchant le tabac
cherchant la pipe
「これは僕も訳したけど、僕より上手いなあ」
と、村松先生。確かに原句のコミカルさがよく出ていて、言葉がリズミカルに踊っているようです。
授賞式は簡素なものでした。主催者等の挨拶、個々人への受賞、受賞作品の朗読……これだけです。
授賞式の様子をデジタルカメラで撮影しようと司会者たちの正面へと回った時、僕はあることに気がつきました。司会者たちの後ろに先ほど村松先生と見た「筆で大書された」翻訳作品の4つめのものがあるということは、授賞式が始まった段階で気がついてはいたのですが……それはよく見ると、僕が翻訳したものでした。
オレンジの皮子らの来て去りし跡
pelures d'oranges
les enfants sont venus
et repartis
「入賞」ではないのが残念でしたが、数ある入賞、入選作品の中から書道家によって筆で大書された4枚のうちの1つが僕の翻訳作品であるというのは光栄でした。
授賞式の後、ささやかなパーティー。
といっても、料理が出るわけではなく、フルーツ味のビールとチーズだけでした。ビールは甘くて変な味でした。何種類かあったチーズも大して美味しいものではなく、中には兎小屋のようなニオイのするものもあり、それには閉口……。
会場にいたフランス人(カナダ人はあまりいないそうでした)たちとフランス語で流暢にしゃべっている村松先生を見て、改めて偉大さを感じました。普段、連句の席では、出される句の巧みさはさることながら、ほとんどダジャレ好きのオジサンなのですが……さすがです。
僕はというと、恐ろしいほどフランス語がわからない。ホールの片隅に飾られていたセイウチの彫刻のように、ついに一言も発することはありませんでした。我ながらダメだなぁ。
それにしても村松先生は性格も日本人ではないようです。国籍を問わず、いろいろな人に話しかけてゆきます。その中の1人が有美(あみ)さんという女性でした。松田聖子に似た感じの美人。話しているうちに彼女は入賞者であることが分かりました。しかも、授賞式の前に見た、筆で大書された「パイプ」の句の翻訳者でした。
せっかくなので記念撮影。有美さんと僕のそれぞれの翻訳作品の前で、彼女と一緒に写真を撮りました。撮影者は村松先生。
その後、村松先生、有美さん、僕の3人で飲み会に行きました。有美さんはとっても楽しい人であることが判明。来月の草門会にいらしてくれるようなので、今から楽しみです。
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