アイスカフェラテ
たとえば息を吸いこむ
緑色のストローを
銜えたまま息を吸いこむと
初夏の若々しい色のトンネルの中を
もの言わぬアイスカフェラテが
昇ってくる
アイスカフェラテがものを言わないのは
発声器官を持ってないからだ
あるいはアイスカフェラテは
ものを考えることができない
と人は言うだろう
我々は偶々脳みそが発達しているから
ものを考えるのは脳みその専業だ
と思っている
脳みそのないものは考えることができない
と思っている
でも本当にそうだろうか
脳みそは偶々ものを考えるのが
得意なだけの器官なのでは
ないだろうか
アイスカフェラテだってものを考える
抗いようのない強烈な気圧の力によって
光無き地獄の洞穴に吸いこまれる時
本当は悲鳴を上げたくてしょうがないのかもしれない
そう考えると急に
アイスカフェラテが可哀相になった
しかしそれ以上に
アイスカフェラテは美味しいのであった
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